歓談夜話

あなたにとって、うまくいかない日があっても大丈夫です。下には下がいて、例えばそれは僕のことです。

泣き寝入り

傷だらけの両手隠して 痛みには慣れてるなんて そんなこと言わないで とめどなく 流れる涙こそ 本当の君だから 世界の半分は悲しみでできてる 嬉しいことだけ 望んでいるのなら この世は 随分辛いことばかりだ どうせなら朝まで 泣き寝入りしよう 本気で 枕…

さようなら、全てのエヴァンゲリオン【シン・エヴァンゲリオン感想】

朝一の映画館で本日公開のシン・エヴァンゲリオン劇場版を観てきました。 超絶ネタバレありの感想になりますので、まだご覧になっていない方はバックの方をお願い致します。 ↓↓ 率直に言おう。 僕はこの映画を見終わった後、めちゃくちゃ落ち込んでいた。 考…

向田邦子展に行ってきた。

一度も会ったことがないのに、僕はその人の事をよく知った気でいる。本の中で想定していたよりも少しだけ高かった彼女の声は、雨の中展覧会へ足を運んだ客を持て成すように迎え入れていた。 2021年は、向田邦子が亡くなってから40年が立つ年である。そんな折…

『生の目的〜他人の視線の中で生きること〜』

僕が他人を嫌うことが出来ないのは、アリの巣の複雑さに愛好家が存在するように、其々の人生の中で複雑な模様を作り出す一匹の動物としての他者に興味があるからだ。 他者が生み出す模様は、完全に理解できる場合だけが面白いわけではない。観察者である自分…

傷つかないで済むように。

大人に片足を突っ込んだ年齢になって、ようやくわかったことがある。 生きるのって、かなりつまらない。 だからといって、童心に帰れば解決するのかといえば、そんなに単純な話でもない。 お酒の味も女の人の肌の味も、知らなかった世界に戻ることは、凡俗な…

理想の社会。

僕にとっての理想の社会、それは『自分には何の才能もありません』と高らかに言える社会だ。 全てが競争で決まるこの世界で、自分を強く見せることは生き残るためには不可欠だ。いつまでたってもボンクラではいられない。 本当にやりたいことを我慢して口に…

子供っぽいという言葉が。

子供っぽいという言葉が悪口なら、大人っぽいという悪口だってあって良いはずだ。 大人は子供にこのことを言われると、途端に怒り出す。子供はこれから大人になれるから、大人に悪口を言われたって黙っている。でも大人は、もう他になれるものがない。逃げ道…

One of themの自己陶酔。

智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。時には他人が馬鹿に見え、時には自分が世界で最も愚かな存在に思えてくる。 と、まぁここまで漱石が草枕の冒頭で言ったわけではないだろうけれど。 現代社会に生きる僕としては、どうしても矛盾を抱えずにはいられ…

画伯

ちっとも上達しない。画力の話である。 昔から驚くほど絵が下手だった。犬を描けばば干し柿になり、ドラえもんを描けばほっかむりをしたコソ泥になる。伝わらない文章が悪ならば、伝わらない絵は罪であろう。その両方を科された僕は、一体前世ではどれくらい…

雨の日に考えたこと。

心待ちにしていた休日も、こう雨ばかりでは気分も落ち込んでくる。 それでも無為に過ごしてしまうのもったいないので、最近なんだかたるみ気味な自分自身を奮起させるために、なんの脈絡もないけれど『これまで僕はどんな人のことを好きになってきて、どんな…

ハムスターを食べる。

去年の夏のある日、連日の台風の影響による野菜の値上がりに怒った父が、地元のホームセンターでトマトの苗木とナスの種を買ってきた。自宅の庭を開墾して家庭菜園をはじめると言うのである。 30度近い気温の中、現在55歳になる父が、北海道を舞台にしたホー…

「猫的酒気帯回想録」

酩酊は人間だけに許された快楽に非ず。これは猫の嗜好においても好ましいことのひとつである。今宵は家主の目を盗んで「山ねこ」の瓶を開けた。今この六畳一間には吾輩以外の生き物はおらぬ。けれどもいつ人間が帰ってくるか知れぬ。ゆえに駆け足の語り口に…

小心者なりの生き方。

世の中には二種類の人間がいるらしい。 強者と弱者。勝ち組と負け組。 たった一度の人生で、自分がどちら側にまわることになるのかは、神様だけが知っている。 競争社会なんて言われたって、何と戦っているのかも曖昧な毎日。 だけど、焦りだけは感じている…

復讐

堕落は際限というものを知らない。 椅子に座って本を読んでいると、そうだ、くつろぎのためには温かいお茶が欠かせないなどと思い立ちT-falのスイッチを入れにいきたくなる。 お湯が立っていよいよお茶が入りましたよという段階となると、右手にはティーカッ…

チャンスは他人のナルシシズムの中にこそある。

以前、とあるネットラジオの有名ハガキ職人に 「あなたが投稿している、思わず読んでしまうようなあるあるネタはどうやって生み出しているのですか?」という質問をしたことがある。 彼に言わせると、読んでもらうためのポイントはいくつかあるそうなのだが…

トトロを探して

家に篭りきりの生活をこれほどまでに続けていると、心地良い春の夜も少しずつただの生温い寝苦しいものになってくる。 僕は寝不足と運動不足の両方を解消するために、不要不急の夜散歩に出かけた。 散歩と言っても、最寄り駅から川沿いの道を15分ほど歩いて…

大丈夫にする。

コロナウイルスへの対策として、本来避けるべきであるはずの「三密」を充分過ぎるほどに満たしている会議室の中で、今日も僕は、先輩やキャストの方々に『体調はいかがですか』なんてやっている。 側から見たら愚かな行為を大真面目にこなしているだなんて、…

僕は大体、間違えている。

先日、大学時代の先輩と駒込にある閑静なバーで三か月ぶりに再会した。僕たちの会話は、最初のうちは若干のぎこちなさを含んだ近況報告が中心であったけれど、次第にバーが売りにしていた多種多様なリキュール達の手伝いもあって話は盛り上がりをみせ、話題…

「さよならのカレー」

毛布にくるまれて眠ったはずなのに、目が覚めると身一つで布団の上に横たわっていた。眠気を振り払おうと顔を上げると、カーテン越しに鈍い光が差しこんで、ぱらぱらという雨が窓ガラスを打つ音が聞こえた。いつもの癖で布団をはぎ、冷えた明け方の中を体を…

冬に目覚める。

たった一息で、視界は真っ白く覆われた。 12月、早朝の気温は5度。僕の住む横浜の地にも霜が降り、着の身着のままのパジャマ姿にマスクという出で立ちで朝刊を取りに外へ出ると、吐いた息で眼鏡が曇る。まだ暗いうちから郵便受けに投げ込まれていたであろう…

十人十色の子供たち。

昔、僕の家の前に広がる空き地が開発され、今のような建売の住宅街になってしまうより、ずっと前のこと。 小学校の終業チャイムが鳴り夕方になると、その段々畑のように広がる草地は、周辺に住む子供たちの遊び場になっていた。 男の子達は各々のお宝である…

チキンカツと言う名の試練。

最近、それこそ徒然なるままに過ごす日々の中で、僕自身これはいいなぁと思ったものを、写真に残しておくようにしようと思いながら生きている。 というのも、感性豊か?だったティーンエイジがどんどん遠のいていくこの生活にあって、写真を撮るという意識づ…

だったら目を閉じて音楽でも聴いてます。

寺山修司の本を読んだ。 ブックオフの百円コーナーに挟まっているのを見つけた『家出のすすめ』。 うーむ。 書評を書きたいわけではないので細かいことは割愛(というか、正直言って大した感想は抱かなかったというのが本音)するけれど なんというか、屈折…

『夜警』

正直に言おう。 僕はこの平凡な毎日に、不満を感じている。 己が特別な存在であれと願うことは諦めたとは言え、自分にこそ、できることがあるはずだという思いを、未だに信じてやまない日々。 そして、その思いを信じているのに、何もできずにいる自分と現状…

神の戯れに創りしもの『GKBR』

九月も半ば、残暑明けからぬ夜のこと。 帰宅して、いつものようにプレステとエアコンの電源をつけると、なにやら見慣れぬ、だがしかしよく知っている赤茶けた物体が、ポトリという音を立てて、目の前に落ちてきた。 それは、虫であった。 よく見るとそれには…

バリスタやバーテン的落ち着きに憧れる。

ソムリエでも可。 なんか、カッコいいですよね、バリスタとかバーテンダーとか、落ち着きがあって。 シックな店内にバリスタエプロン、真剣な眼差しで、最高の一杯を目指すーーー。 みたいな。 バーテンダーなら、おなじみの、寡黙にグラスを拭いたりして、…

届かなかった言葉 その2

以前、商業用に書いたものですが、ラインに合わないからと没になった歌詞達の供養を… はぁ、一生懸命作っても、本当に簡単にナシになっちゃうヨナァ。 割りに合わないというか、時給いくらだとか一文字いくらだとか、あんまし、考えたくないけど、明日のご飯…

満月なんて、興味ない。

昨日は十五夜でしたね。 主役の月は、まさしくシルバームーンとでも言うような、綺麗な月でした。 気温も涼しくて、とってもムーディーな夜でしたね。 お団子片手に、口笛なんか吹いちゃったりして、こんな時の曲っていったらやっぱりあれですよね、 き〜み…

長年の友達が、社会人になった途端年収の話しかしなくなった。

長年の友人Kが、社会人になった途端、年収の話しかしなくなった。 別にそのことについて、良いとか悪いとかを、判断をしようとは思わない。 お金は大事だ。 好きなものを買えるし、自分の生活を、自分でつくっていける。 ただ、2人で牛タンを食べていたら、…

夜中に思考停止して鑑賞する「CCさくら」以上に幸せなことはあるのか

深夜12時。 僕はおもむろにテレビのリモコンを取り出して電源をつけ、先日届いたばかりのfirestickTVからNetflixにログインする。 迷いなくキーをかちゃかちゃやる姿は既に手馴れたもので、こんな夜中に一体何を観るのかといえばそう 『カードキャプターさ…