歓談夜話

あなたにとって、うまくいかない日があっても大丈夫です。下には下がいて、例えばそれは僕のことです。

理想の社会。

 

僕にとっての理想の社会、それは『自分には何の才能もありません』と高らかに言える社会だ。

全てが競争で決まるこの世界で、自分を強く見せることは生き残るためには不可欠だ。いつまでたってもボンクラではいられない。

本当にやりたいことを我慢して口に糊をする人のほうが、本当にやりたいことを探して口に糊をしている人よりも偉い世の中に、僕たちは生きている。

人間は他の動物とは違い、高い知能を持っているらしい。文字を使ったり、戦争をしたりして、どうにかこうにか、人間は特別な存在であると思い込む。それなのに、結局やってることは、権威の誇示と富の独占。動物とどこが違うのだろう。

こんなどうしようもない場所を、本当に愛だけで救えるのか?愛は地球を救うのか?スローガンだけが立派なのにはもううんざりだ。

 

声を大にして言う。

『僕には何の才能もありません』と。

一体どれくらいの人が声をかけてくれるだろう。

『それでもいいのだ』と。

 

声を大にして言おう。

『それでもいいのだ』と。

何もないところから始めよう。

怖くて不安な自分から歩きだそう。

みんなと同じ場所にいる必要はないんだ。

囲いを作った誰かの両腕の外側で、僕は君に伝えたいのだ。

その先に、もっと良いものがあるぞ、と。

 

おしまい。